口腔外科的治療

「口腔外科的治療」とはお口の中や顎、顔面領域の外科的処置を専門とする歯科治療のことです。

顎関節症

顎関節症とは

顎関節(がくかんせつ)とは人間のアゴの関節を示す専門用語です。

そして、顎関節症(がくかんせつしょう)というのは口が開けづらい、口を開けると耳の前あたりが痛い、あるいはカクカクと音がするなどアゴの関節に関する病的な症状をひっくるめてつけられた病名です。

顎関節症の症状

顎関節症の3大症状といわれるものは
1.アゴを動かした時の関節の痛み
2.アゴを動かした時の関節の雑音(カクカク、ギリギリ)
3.アゴの運動異常(口が開けづらい、口がゆがんで開く)
この3つですが、これら3つの症状は単独で現れる場合や合併して現れる場合があります。
また、症状が現れるのが関節の部分だけではなく下アゴの周囲や側頭部、首の周りの筋肉に痛みを感ずる事もあり多種多様です。

現れる症状が複雑なので、原因を特定するのはほとんどの場合難しいのですが、一般的には不良な咬み合わせ、アゴを打撲した、あるいは歯ぎしり、くいしばりなどの悪習慣が顎関節症を引き起こす原因と考えられています。

顎関節症の治療

はっきりとした原因が特定できれば、その原因を取り除けばいいのですが、ほとんどの場合原因がわからないことが多いので対症療法が主体となります。

対症療法というのは、不快な症状を軽くすることに主眼をおいた治療で、具体的には関節や筋肉の痛みに対して鎮痛剤や筋弛緩剤(筋肉をやわらげる薬)を内服したり、薄い材質のマウスピースをはめて関節をガードしたりします。
顎関節症は障害に対して比較的適応性の良い器官ですので、対症療法を続けながら関節自体の適応を待つのが現在における治療の主流です。

親知らず

親知らずとは

親知らず(智歯)は成人になってからはえてくることが多く、上アゴと下アゴの一番奥に2本ずつ計4本はえます。

しかし、アゴの骨が小さく、はえる場所が狭いとななめに向いてはえてきたり、骨の中にもぐった状態のままで一生はえてこない場合も多く、このような骨の中にもぐったままの状態の歯を埋伏歯(まいふくし)と言います。

親知らずと炎症

親知らずは半分頭を出した状態でストップしてしまうことが多いのでどうしても食べかすがたまりやすく、周りの歯ぐきが腫れたり膿がたまったりする原因となります。

専門用語では歯冠周囲炎(しかんしゅういえん)、智歯周囲炎(ちししゅういえん)と言いますが炎症が拡大すると喉の方や、アゴの下の方まで腫れあがり入院治療が必要となることもあります。

親知らずの抜歯

親知らずは必ず抜歯しなければならないということはありません。
しかし、一度炎症を起こすとたいていの場合は何度も繰り返すので抜歯を勧められることが多いです。

骨にもぐった状態の親知らずの抜歯は通常の抜歯に比べると難易度が高く熟練された技術が必要となります。

■抜歯の方法

下アゴの埋まった状態の親知らずを例にあげますと、まず親知らずの周囲の歯ぐきの粘膜に局所麻酔注射をして痛みをとります。
そして、粘膜を切開して骨を露出させ必要に応じて骨を削ります。
埋まっている智歯を2～3個に分割して摘出した後、洗浄して粘膜を元の状態に戻し、縫って終了です。

抜歯に要する時間はおおよそ20分～30分くらいです。
局所麻酔が適格に行われれば抜歯の最中に痛みを感じることはほとんどありません。